ラベル DaaS の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル DaaS の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014-04-24

Amazon WorkSpacesに関する誤解

待望のAmazon WorkSpacesがリリースされ、実際に触られた方も多いのではないか。いろいろな場所でAmazon WorkSpacesの話を聞くが誤解が多いようなので、この場で正したいと思う。

 

誤解1. Windows7である

ちがいます。
Windows7に見えるように設定されたWindows Server 2008 R2です。同じコアなので、特に問題ないかと思いますが、ソフトウェアサポートの一点において注意が必要です。Adobe PhotoShopなどWindows ServerOSでサポートが受けられない製品や、インストーラーが止まってしまう製品があります。

 

誤解2. VMware Viewである

ちがいます。
同じteradici社のPCoIPを採用していますが、AWSオリジナルだと思います。Desktoneでもないと思います。Windows Server用のPCoIPは、Archという名で単体ソフトウェアとして購入することができます。

誤解3. ターミナルサーバなんだよね

ちがいます。
サーバーVDIです。
Windows Server OSを用いるという意味では同じなのですが、ターミナルサーバ/リモートデスクトップサービス/SBCが、1つのOSを複数のユーザが共有するのに対して、サーバーVDIは1ユーザ毎に異なるOS/VMを割り当てる構成となっており、ユーザ毎に任意のアプリケーションの導入が可能など、より自由度の高い構成となっています。

誤解4. 現状所有しているMS Officeを利用しても構わない。

重大なライセンス違反です。
提供されるWindows OSは事業者向けのSPLAで提供されており、この環境下にOEMライセンスなMS Officeを持ち込むことはもとより、SelectやEAなどのVolume Licenseを持ち込むことはライセンス規約違反です。Amazonより提供されるOffice入りのモデルを利用するようにしてください。

誤解5. 法人向けにも、これで十分。

ちがうと、、、、思います。
ある程度以上の規模(100台以上)の法人で利用するには、何かと困ると思います。理由としては、次の通り。
  • マスター展開機能がない。1台づつ必要なアプリケーションをすべてインストールしたり、パッチ適用したりする必要があります。
  • PCoIPがUDPであるため、大規模に利用する際にはFWなどインターネットゲートウェイ系システムを適切に準備する必要がある。
とはいえ、いつまでも現状の機能のままではないと思うので、きっと改善されてゆくのだと思いますが、無邪気に飛びつくわけにもいかないのが現状ではないでしょうか。

いろいろ書きましたが、1ユーザから契約可能で、再安価なモデルで3,500円程度ということで、非常に魅力的であることには変わらないでしょう。

2011-04-04

WebTop、散る

WebTopを提供していたスタートフォースが、日本法人を解散し法人向けサービスの営業を終了するとのこと。脱MSの流れとしては面白かったのですが、PCの汎用性をカバーできず普及しなかったのか。あと半年違えば、Chromeとの組み合わせや震災を受けた事業継続対応など、状況はかなり違ったかも。残念です。米法人は新経営体制でコンシューマ向けとして継続するとのこと。

このたび、米国Startforce,Inc.の方針により、スタートフォース株式会社を解散し、日本における営業活動を終了する運びとなりました。
スタートフォース株式会社の解散について

同様のサービスを実施していたNTTコミュニケーションも以下の通りで、営業力のあるNCOMでもこうなのかと。WebTopは厳しいのかというところですね。

新規販売の停止について
「Bizデスクトップ ベーシック」につきましては、サービス機能改善のため、大変申し訳ありませんが、新規申込み受付を一旦停止しております。
受付の再開については、別途、当ホームページ等でご案内いたします。
Bizデスクトップ ベーシック

やっぱり、仮想デスクトップしかり、WebTopしかり、これだけPCや各種モバイル端末が安価に入手できる中、用途を明確にし特にPCとの差別化を図っていかないと、特に月額サービスは厳しいということがわかってきました。安ければいいってことでもないと。

2011-02-22

北陸銀行の行内イントラネットシステムを富士通が刷新

北陸銀行様の行内イントラネットシステムを刷新 : 富士通

めっきり話を聞かなくなったVMwareViewの事例ですね。

端末2,000台に対して仮想PCリソースが1,500台とのこと。同時接続が2/3しかないのって、集約率高くて導入効果出しやすいよねぇ。ライセンスは、全台分必要ですが。

今回事例のもう一つのカギは、ファイルサーバの統合。ファイルサーバが支店側に置いてあるままでは、このプロジェクトもうまくいかなかったでしょう。データセンタ側に集約することによって、ユーザへの利便性と統合による集約効果を出したということでしょう。やっぱりデスクトップ仮想化導入のカギは、ファイルサーバ統合でしょうか。これから、デスクトップ仮想化とファイルサーバ統合の抱き合わせが増えてゆきそうですね。

NTTドコモ 「モバイルセキュアデスクトップ」の裏側

NTTドコモ様のモバイルワーカー向けクラウドサービス「モバイルセキュアデスクトップ」のICT基盤を構築 : 富士通
F社より、「うちが作ったんじゃ、ごらぁ」とプレスが出ていますね。
これによると、構成は以下の通りだそうで。
ICT基盤構成
  1. 高性能・高信頼なプラットフォーム製品を使用、可用性・運用性の高い基盤を実現
    • ブレードサーバ : 「PRIMERGY BX922」
    • PCサーバ : 「PRIMERGY RX300」
    • ストレージ : 「ETERNUS DX90」、「ETERNUS NR1000F 3140」
  2. クラウドサービス環境を実現するソフトウェア
    • クライアント仮想化ソフトウェア : シトリックス社「Citrix® XenDesktop®」
    • 仮想化ソフトウェア : ヴイエムウェア社「VMware vSphere™」
    • OS : マイクロソフト社「Microsoft® Windows Server® 2008」

ここから、類推+感想。

お金かかりそうな構成ですな。これでユーザ7,000円台というのも納得。小さいユーザ数からだそうとすると妥当なのかもな。オーバーコミットしまくって、小さいVM大量に集積するならvSphereのほうがいいかも。購買力が違うから、気になるコストでもないのかもな。

OS は、R2でなく無印2k8なのか?ということは32bitなのかな?てっきりR2で64bitかと思ってたけど、決め打ちアプリにするならR2でもよかったのでは?64bitのほうがVMあたりの集積度上がるしね。それとも64bitオーバーヘッドを嫌がって、できるだけ小さいVMで構成することを狙って 32bitにしてるのか?2k8ならXenAppもバージョンは5のままですな。

キャリアグレードってこういう事なんだと思いますが、スケールしない部分の信頼性を高めるのって高くついてしかたないですね。やっぱりDaaSは「あきらめて使う」「割り切って使う」サービスなんだと再認識。高いと諦めるのか、品質を諦めるのか、、見定めが感じですね。

2011-02-16

NTTドコモ 「モバイルセキュアデスクトップ」の良し悪し

報道発表資料 : モバイルワーカー向けクラウド型サービス「モバイルセキュアデスクトップ」の提供を開始 | お知らせ | NTTドコモ

iOSや、Androidなど、基本的にCitrixのICAクライアントが稼働するプロダクトから、Windows Serverにログインしてデスクトップを提供するサービス。

プレスを見る限り類推できることは、以下の通り。
  1. AccessGateway経由でつなぐんだな
  2. 共有のサーバを複数契約で共有して、がちがちのセキュリティ設定状態で使うのかな?
  3. おいたら動くアプリケーションは導入できるが、インストールに管理者権限の必要なアプリケーションはインストールできなさそうだな。
  4. ユーザ社内LANへのリモートアクセスは、難しそうだな。

つまり、インターネットにつながったWindows環境が「ぽつん」とあるイメージ。

ブラウザベースのオンラインストレージサービスが組合わせられているので、PCの持ち出し用途にフォーカスして考えると、外出先でファイルを閲覧したいという用途には最適。ただし、外出先でたとえば、社内の在庫システムにアクセスして在庫引き当てしたいといったニーズに対しては利用できないということになります。向き、不向きのあるサービスということですね。

私見ですがまとめると、以下の通り。


メリット/適していること
  1. 持ち出しPCのセキュリティ対策として活用するのに適している。
  2. 1台から契約可能。
  3. 落としても情報漏えいの心配が少ない。
  4. 基本的に「2台目」用途。

デメリット/適していないこと
  1. 「1台目」PCの代替として利用することには適していない。
  2. 任意のアプリケーションが利用できるわけではない。
  3. 自社ネットワークに接続することは、難しいかも。SSL-VPNなら対応可能なものもあるか?

きちんと見極めて、契約することが大切ですね。でも、この形が「パブリック」なDaaSなのかも。